紅葉の季節、撮りたくなるのは紅葉と鹿の写真。
花札にもあるように紅葉と鹿は昔からベストパートナーのようだ。
そもそも紅葉だけでも絶好の被写体なのに、そこにかわいいかわいい鹿がいるなんて。
これはぜひとも撮りたい。
ネットにも紅葉と鹿のかっこいい写真がいくつもあがっている。
幸い大阪に住んでいて奈良まで行けば野生の鹿が撮れる、とても恵まれた環境にある。
これはもうチャレンジするしかないでしょう!
ちなみに私は写真は素人。だからこそ、いざ海外で大好きなイスラム建築を撮るときにきれいに撮れるように、いろんな被写体で今のうちに写真の練習をしておきたい。
というわけで最初に奈良に鹿と紅葉を撮りに行ったのは今から約3年前。
奈良に行けばあちこちに鹿がいる。いわゆる「もみじ」以外の紅葉、黄葉も美しい。紅葉と鹿の写真は撮り放題。
でも実際撮ってみると、さすが奈良、観光客が入ってしまう。背景に建物や道路や電線が入ってしまう。
余計なものが入らないようにアップにしてみても奈良の木は鹿にかじられないようにネットが巻かれているので、今度はそのネットが目立ってしまう。
それにそもそも鹿がこちらを向いてくれない。(※東大寺参道付近の鹿は鹿せんべいをもらおうと向こうから目を合わせてきます。)
ちゃんと撮ろうと思うとなかなか難しい。
そんな中、1枚、紅葉の中でいい感じでこちらを向く鹿の写真が撮れた。
人に見せると、写真はちゃんと大きくプリントしてみた方がいいよと言われ、プロラボなるものも教えてもらった。
素人の私には場違いだと思いつつもプロラボがどんなものなのか試してみたくなり、その写真のデータを持って教えてもらった店に行ってみた。
プロラボでは出来上がりをパソコンで一緒に確認しながら微調整をしてもらえる。
そして2週間後に自宅に写真が届いた。
大きくプリントすると写真のアラが見えてくる。出来上がりを楽しみに待っていたのに自分の写真の下手さにがっかりしてしまった。
うまく撮れた気がしていたがうそだった。
大きくプリントしてもきれいな紅葉と鹿の写真が撮りたい!
「私は奈良派」のポスターみたいな写真が撮りたい!
(欲を言えば、応募してポスターになりたい!)
そこからちょっと紅葉と鹿にハマった。
次の年も紅葉と鹿を撮りに行った。
紅葉のベストシーズンは2週間程度。そのうち朝から晴れた日となるとチャレンジできる日は1年に数日だけ。そして土日が晴れるとは限らない。
こうなったら天気優先。
天気予報で奈良に晴れの予想が出れば仕事前に奈良に寄ることにした。
鹿はいても、ちょうどいい光が差しているときにちょうどいい位置に来てこちらを向いてくれない。仕事前の1時間程度だとずっと待ってもその瞬間が訪れない日もある。
どうも最初にいい感じの写真が撮れたのはビギナーズラックだったようだ。
そして昨年の秋で3年目。
再度紅葉と鹿にチャレンジした。何回か晴れた日に仕事前に行ってみたけれど、納得のいくベストな写真はなかなか撮れないまま紅葉の時期は終わった。
次の紅葉と鹿のチャンスは1年後。長い。
そこで今年は真冬の寒い朝の鹿の吐く白い息を狙ってみることにした。
(かわいい鹿ははずせません。)
そんな寒い朝は何度も行きたくない。一発勝負でいきたい。
天気予報を見て、いい天気で朝の気温がぐっと下がる日。そんな日をじっと待っていた。
そしてその日はやってきた。
朝早くに行くと、この日を狙ってやってきたプロらしき人が大勢いる。みんな大きなバズーカのようなレンズを付けている。
「今日は多いな。みんな考えることは一緒やなあ。」という声があちこちで聞こえる。
私もプロと同じ思考ができたようだ。ここまでは合っている。
でも・・・
鹿の息はほんとにかわいいものでよーく見ないと分からない。これはバズーカでないとうまく撮れないわけだ。私の初心者用カメラでは「ほわっ」と写るのが限界なので、これはこれ以上の追求はしないことにした。
案外、今の性能のいいスマホの方がきれいに撮れるのかもしれないとちょっと思う。
そしてもうすぐ桜の季節。
そう、鹿は桜もよく似合う。
今年は桜と鹿の写真にチャレンジしてみようと思っている。
しばらくは鹿沼にどっぷりハマって満喫することにしよう。
海外でイスラム建築を撮るときのための写真の練習。
といいながら、私の写真はどうも愛犬や鹿の写真が多いようである。
▲ビギナーズラック