第三者意見募集制度の実施について
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◆第三者意見募集制度の創設後の第1号事案について

1 令和3年の特許法改正(令和4年4月施行)により、特許法第105条の2の11が新設されました。当事者による証拠収集手続として、特許権等侵害訴訟において、裁判所が、広く一般の第三者に対し、その事件に関する特許法の適用その他の必要な事項について、意見を記載した書面の提出を求めることができる制度(第三者意見募集制度)です。

2 知的財産高等裁判所において、当該制度創設後の第1号事案が告知されています。
https://www.ip.courts.go.jp/tetuduki/daisanshaiken/index.html
「ニコニコ動画」などを手掛けるドワンゴが動画再生中のコメント表示を巡る配信システムの特許を侵害されたとして、米FC2などに配信差し止めなどを求めた訴訟の控訴審で採用されました。

3 意見募集事項は以下の2点です。
(1)サーバと複数の端末装置とを構成要素とする「システム」の発明において、当該サーバが日本国外で作り出され、存在する場合、発明の実施行為である「生産」(特許法2条3項1号)に該当し得ると考えるべきか。
(2)1で「生産」に該当し得るとの考え方に立つ場合、該当するというためには、どのような要件が必要か。

4 意見の募集期間は令和4年(2022年)9月30日から同年11月30日までです。

5 制度創設前には、韓国サムスン電子と米国アップル日本法人のFRAND宣言に関する紛争で意見募集がされましたが、特許法改正により制度が創設されて初めての試みであり、今後の動向が注目されます。