【消費者契約法とは】
消費者契約法とは、消費者と会社等との取引において消費者を保護するために制定された法律で、平成13年4月1日に施行されました。
これは、消費者と事業者との間の情報格差等に鑑み、民法では必ずしも認められなかった理由でも、消費者から契約の取り消しを認めたり、契約条項の無効を主張したりすることができます。
【消費者契約法の対象は】
この法律は消費者と事業者との間で締結される契約を対象とするものです。
そこで「消費者」とは何か、「事業者」とは何かが重要になってきます。
「消費者」とは、事業者として契約をする者以外の個人を指します。
従って、個人で事業を営んでいる方がその事業に関して契約する場合はあてはまりませんが、家庭で使用する電化製品を購入する場合には、これにあてはまります。
「事業者」とは、会社などの法人及び事業のために契約する個人を言います。
会社は常に事業者ですが、個人は、事業者である場合と消費者である場合があります。
たとえば、パソコンの購入を考えてみますと、事業のために使用することを目的とした場合には事業者として契約したものとなりますが、自分の趣味のために購入した場合には消費者として購入したことになります。
しかし、両方の目的の場合には判断が難しいことがあり、主として、どちらの目的であったかによると考えられます。
【消費者契約法による契約の取消し】
消費者は、契約にあたって、重要な事項について事実と異なって知らされた場合、将来どうなるか確実にはわからないことで、断定的に判断を述べられた場合、不利益になる事実が告げられなかった場合には、契約を取り消すことができます。
契約にあたって、事業者がたとえば消費者の自宅から退去しなかったり、消費者が店にいったところ帰してもらえなかったというような場合にも契約を取り消すことができます。
【消費者契約法による条項の無効】
契約にあたって、事業者が契約に違反しても消費者に対して責任を負わないとか、売買契約において売買の対象物にきず等の問題があっても責任を負わないという条項があることがありますが、これらは無効であり、民法の原則に従って事業者は責任を負わなければなりません。
したがって、事業者がその所有する不動産を消費者に売却する場合、中古物件であるから瑕疵担保責任を負わないとの条項を入れて契約することがありますが、このような条項は無効ということになります。
企業としては、このような条項が無効になることを認識した上で売買交渉を進めなければなりませんし、消費者は購入した不動産に問題があれば、このような条項に関わりなく修繕等の請求をすることができます。
また、消費者に課せられる契約違反による違約金は、年利14.6%までしかみとめられないことになりました。