<ポイント>
◆原則として理事本人が理事会に出席すべき
◆規約の明文規定で代理出席等または事前の議決権行使を認めることが考えられる
前回は、標準管理規約(単棟型)(以下、「標準規約」といいます)で理事会についてどのように定められているかをお話ししました。
今回は、理事がやむを得ず理事会を欠席する場合に配慮すべき点、理事会への理事の代理出席が可能か、などについてお話しします。
標準規約のコメントによりますと、以下の点が挙げられています(抜粋)。
■理事は組合員のために誠実にその職務を遂行するものとされているので、理事会には本人が出席して議論に参加し、議決権を行使することが求められる
■理事の代理出席(議決権の代理行使を含む)を、規約で認める旨の明文規定がない場合に認めることは適当ではない
■「理事に事故があり、理事会に出席できない場合は、その配偶者又は一親等の親族(理事が、組合員である法人の職務命令により理事となった者である場合は、法人が推挙する者)に限り、代理出席を認める」旨を定める規約の規定は有効であると解されるが、あくまでもやむを得ない場合に代理出席を認めるものである。この場合も、あらかじめ総会で、各理事についてその職務を代理するにふさわしい資質・能力を有するか否かを審議のうえ、その職務を代理する者を定めておくことが望ましい。
■外部専門家など当人の個人的資質や能力等に着目して選任されている理事について、代理出席を認めることは適当ではない
■理事がやむを得ず欠席する場合には、代理出席によるのではなく、事前に議決権行使書または意見を記載した書面を出せるようにすることが考えられるが、これを認める場合、理事会に出席できない理事が、あらかじめ通知された事項について、書面をもって表決することを認める旨を、規約の明文規定で定めることが必要
■理事会に出席できない理事に対しては、理事会の議事についての質問機会の確保、書面等による意見の提出や議決権行使を認めるなどの配慮をする必要がある
■WEB会議システム等を用いて理事会を開催する場合、議決権行使の方法等を、規約や細則で定めることが考えられる
■理事がWEB会議システム等を用いて出席した場合、理事会の定足数を算出するにあたっては、出席理事に含まれると考えられる。
参考になれば幸いです。