<ポイント>
◆原則として管理者(理事長)が議長となるが例外あり
◆議事録には議長と他の出席区分所有者2人(計3人)の署名押印が必要
◆利害関係人からの求めがあれば議事録を閲覧させなければならない
今回は、分譲マンションの集会における議長、議事録についてお話しします。
集会の議長の定め方は次のとおりです。
区分所有法では、管理者がいる場合は管理者が議長となると定められています。
管理者がいない場合は、区分所有者の5分の1以上でかつ議決権の5分の1以上を有する者によって集会が招集されることになっていますが、集会を招集した区分所有者のうちの一人が議長となる旨定められています。
ただし、規約に別段の定めのあるときや集会で別段の決議をしたときはそれに従います。
マンション標準管理規約においては、理事長(=区分所有法における管理者)が総会の議長となると定められています。組合員が、組合員総数の5分の1以上でかつ議決権総数の5分の1以上の組合員の同意を得て、総会の招集を理事長に求めることもできますが、この場合、議長は、総会に出席した組合員の議決権の過半数をもって組合員の中から選任すると定められています。
次に、議事録についてお話します。
区分所有法上、集会の議事について、議長は、書面または電磁的記録により議事録を作成しなければなりません。その議事録には、議事の経過の要領やその結果を記載または記録しなければなりません。
そして議事録が書面で作成されているときは、議長と集会に出席した区分所有者2人(計3人)が、署名押印しなければなりません。議事録が電磁的記録で作成されているときも、議長と集会に出席した区分所有者2人(計3人)が電子署名をしなければなりません。
マンション標準管理規約においても同じ趣旨の定めがなされていますが、コメント欄には電磁的記録の具体例として、磁気ディスク・磁気テープ・フロッピーディスクなどのような磁気的方式によるもの、ICカード・ICメモリーなどのような電子的方式によるもの、CD-ROMのような光学的方式によるものが挙げられています。
また、区分所有法上、管理者または管理組合法人における理事が議事録を保管しなければならない旨定められています。管理者がいなくて、かつ管理組合が法人化していない場合は、建物を所有している区分所有者またはその代理人で、規約又は集会の決議で定めるものが保管しなければなりません。
そして議事録を保管する者は、利害関係人の請求があった場合には正当な理由のない限り閲覧を拒めない旨定められています。議事録の保管場所についても、建物内の見やすい場所に掲示しなければなりません。マンション標準管理規約においても、理事長が議事録を保管し、組合員または利害関係人の書面による請求があったときは議事録の閲覧をさせなければならないこと、所定の掲示場所に議事録の保管場所を掲示しなければならないことなどが定められています。
参考になれば幸いです。