分譲マンションにおける集会について 4
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<ポイント>
◆集会に自ら出席できない場合の議決権行使方法は3つ
◆マンション標準管理規約では議決権行使する代理人の資格を制限している
◆電磁的方法による行使をするには規約または総会決議が必要

今回は、分譲マンションにおける集会での議決権の行使方法についてお話しします。
議決権の行使方法としてもっとも望ましいのは、区分所有者が自ら集会に出席し、他の区分所有者と充実した討議をおこなったうえで決議に臨み、議案の賛否につき直接意思を明らかにすることと考えられます。
もっとも、区分所有者が自ら集会に出席できない場合であっても、なるべくその意思を集会の決議に反映させるべく、区分所有法は、議決権行使の方法を三つ定めています。
書面による行使、代理人による行使、電磁的方法による行使です。

書面による行使とは、総会に出席しないで、集会の開催前に、議案ごとの賛否を記載した書面(議決権行使書)を提出することです。
代理人による行使とは、委任状などによって区分所有者から代理権を与えられた代理人が集会に出席して議決権を行使することです。区分所有法上、代理人の資格は制限されていません。
電磁的方法による行使とは、電子メールの送信やホームページへの書き込み等によって議決権を行使することです。この方法で議決権を行使するためには、書面や代理人による議決権行使と異なり、規約または集会の決議が必要です。世の中が電子化に向かって進んでいるとはいえ、従来の方法(書面や代理人による方法)による議決権行使を望んでいる管理組合もあるはずだからです。

なお、マンション標準管理規約も、区分所有法と同じく書面や代理人による議決権行使を認めていますが、区分所有者と異なり代理人の資格を制限しています。
具体的には、代理人より議決権を行使しようとする組合員の配偶者(内縁関係にある者を含む)または一親等の親族、その組合員の住戸に同居する親族、他の組合員に限定しています。
また、マンション標準管理規約は、管理組合において電磁的方法が利用可能な場合には次のように規定するとしたうえで、「組合員は・・書面による議決権行使に代えて、電磁的方法によって議決権を行使することができる」と定めています。
そして、これら3つの方法で議決権を行使する者は出席組合員とみなす、と定めています。決議要件を満たしているかを判断するにあたり、出席組合員として数えることとなります。

最後に、数人で専有部分を共有している場合における議決権行使方法について述べておきます。この場合、区分所有法上、共有者は、議決権行使者を一人定めなければならないとされています。マンション標準管理規約においても、数人で共有する場合には議決権行使者を一人選任してその者の氏名を総会開会までに理事長に届け出なければならないとされています。
参考になれば幸いです。