本年も(個人)所得税の確定申告の時期が近付いてきました。
本稿では、本年の所得税確定申告に関連する改正点を確認します。
1.確定申告書様式の変更
これまで、個人の確定申告書には確定申告書Aと確定申告書Bという2種類の様式があり、Aは申告する所得が給与所得、雑所得、配当所得、一時所得のみの場合に使用され、Bは事業所得や不動産雑所得などもある場合に使用されていました。しかし、2022年分の確定申告から確定申告書Aが廃止されることになりました。
また、修正申告を行う際に使用される申告書の第五表についても2022年分の申告から廃止となります。修正申告とは、確定申告後に申告漏れの税金が判明した場合に、税額の再計算を行う手続きのことです。今後の修正申告は、申告書の第一表に追加された「修正申告」という新たな欄で行うことになります。
2.収支内訳書様式の変更
事業所得又は不動産所得を白色申告で申告する者は、収支内訳書の提出が必要です。今回の確定申告から、それらの者に加えて、業務に係る雑所得がある場合にも当該収支内訳書の提出が必要となりました。
3.住宅ローン控除関連の改正
(1)控除率及び期間の改正
控除率は、2022年居住開始以降分について、一律0.7%に引き下げられました。
控除期間については、新築住宅については13年間、中古住宅は10年間とされました。
(2)所得制限の改正
制度適用の所得制限が、合計所得金額3,000万円から2,000万円に引き下げられ、適用要件として厳しくなりました。
(3)適用下限面積の緩和
適用対象となる住宅の床面積は50㎡以上ですが、合計所得金額1,000万円以下の者については、40㎡以上の住宅についても適用可能となりました。
4.社会保険料控除及び小規模企業共済等掛金控除の提出書類の電子化
社会保険料控除及び小規模企業共済等掛金控除の提出書類についても、生命保険料控除や地震保険料控除と同様に電子データによる提出が可能となります。