マンション標準管理規約における規約原本等の保管・閲覧等について
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<ポイント>
◆区分所有者や利害関係人から請求があれば、理事長は規約原本等・細則内容書面を閲覧させなければならない
◆理事長は、閲覧につき相当の日時・場所等を指定できる
◆理事長は、所定の掲示場所に、規約原本等・細則内容書面の保管場所を掲示しなければならない

 

今回は、マンション標準管理規約(単棟型)(以下「標準規約」といいます)で定められている、規約原本等の保管・閲覧等についてお話しします。

標準規約では、この規約を証するために区分所有者全員が書面に署名また電磁的記録に電子署名した規約を1通作成してこれを規約原本とし(原始規約のこと)、理事長が保管し、区分所有者や利害関係人の書面または電磁的方法による請求があれば、規約原本の閲覧をさせなければならないとされています。
そのうえで標準規約コメントをみますと、区分所有者全員が署名した規約がない場合には、分譲時の規約案及び分譲時の区分所有者全員の規約案に対する同意を証する書面または初めて規約を設定した際の総会の議事録が、規約原本の機能を果たすこととなる、とされています。

また、標準規約では、規約が規約原本の内容から総会決議により変更されているときは、理事長は、1通の書面または電磁的記録に、A)現に有効な規約の内容とB)その内容が規約原本及び規約変更を決議した総会の議事録の内容と相違ないことを記載または記録し、署名または電子署名したうえでこの書面または電磁的記録を保管する、とされています。
そのうえで標準規約コメントをみますと、上述した書面については、
ア)規約原本とは別に、変更内容を反映した冊子を作成し、理事長が署名する方法
イ)規約原本に、変更内容及び理事長の署名を記載した書面を添付する方法
が考えられるところ、現在有効な規約内容の一覧性の確保や閲覧をする際の利便性を考慮し、ア)の方法により作成することが望ましい、とされています。

さらに標準規約では、区分所有者や利害関係人の書面または電磁的方法による請求があれば理事長は
・規約原本等(規約原本、規約変更を決議した総会の議事録及び現に有効な規約の内容を記載した書面または記録した電磁的記録)
・細則内容書面(現に有効な『敷地・建物・付属施設』の使用細則及び総会・理事会の運営、会計処理、管理組合への届出事項等についての細則その他の細則の内容を記載した書面または記録した電磁的記録)
の閲覧をさせなければならない、とされています。
なお、理事長は、閲覧につき相当の日時・場所等を指定できるとしたうえで、所定の掲示場所に、上述した規約原本等・細則内容書面の保管場所を掲示しなければならないとされています。
また、電磁的記録により作成された規約原本等・細則内容書面については、理事長は、『当該電磁的記録に記録された情報の内容を、紙面または出力装置の映像面に表示する方法により表示したもの』を保管場所で閲覧させなければならない等、情報開示が図られています。

参考になれば幸いです。