<ポイント>
◆理事長は、組合員名簿・居住者名簿を作成・保管しなければならない
◆組合員から相当の理由の付した請求があれば、理事長は、組合員名簿等を閲覧等させなければならない
今回は、マンション標準管理規約(単棟型)(以下「標準規約」といいます)で定められている、組合員名簿等の作成・保管についてお話しします(管理組合において電磁的方法の利用が可能な場合を想定しています)。
理事長は、
組合員名簿および居住者名簿(以下、まとめて「組合員名簿等」といいます)を、書面または電磁的記録により作成して保管し、組合員から『相当の理由の付した書面または電磁的方法による請求』があったときは、これらを閲覧させなければならない、
この場合、閲覧について相当の日時・場所等を指定できる
とされています。
標準規約のコメントをみますと(抜粋)、
①組合員名簿のほか、設備点検等のために専有部分への立入り等を行う際の連絡先を把握するために、賃借人を含む居住者の氏名や連絡先等を記載した居住者名簿を作成、保管することも定めている
②居住者名簿の作成に当たっては、災害時における避難の支援や安否の確認等の円滑化の観点から、災害時に自ら避難することが困難な者(高齢者、障害者、乳幼児など)を事前に把握しておくことが望ましい
③組合員名簿等の閲覧等の際は、組合員等のプライバシーに留意する必要があり、名簿の記載内容のうち、閲覧等の請求の理由に照らして不要と思われる項目は、開示しないことも可能
④組合員名簿等の閲覧等の請求をできる者を組合員に限定しているが、組合員以外の者から閲覧請求されることを想定し、地域や各マンションの実態に応じて閲覧等を請求できる者の範囲を定めることも可能
との説明がなされています。
また、理事長は、
閲覧の対象とされる組合員名簿等に関する情報について、組合員からの『相当の理由を付した書面または電磁的方法による請求』に基づき、当該請求者が求める情報を記入した書面を交付し、 または当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供できる、
この場合、交付の相手方にその費用を負担させることができる
とされています。
なお、電磁的記録により作成された組合員名簿等の閲覧については、
当該電磁的記録に記録された情報の内容を『紙面』または『出力装置の映像面に表示する方法』により表示したものの閲覧をさせる
組合員からの求めがある場合には閲覧に代えて当該電磁的記録に記録された情報を電磁的方法により提供できる
とされています。
以上のほかに理事長は、
専有部分を借用した旨の届出、または組合員の資格を取得もしくは喪失した旨の届出が管理組合になされたとき、遅滞なく組合員名簿等を更新しなければならない、
毎年1回以上、組合員名簿等の内容の確認をしなければならない、
とされています。
参考になれば幸いです。