マンション標準管理規約と敷地・共用部分等の用法について(3)
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<ポイント>
◆駐車場使用契約の内容も駐車場使用細則に位置付け、総会で合意を得ることが望ましいこと
◆車両の保管責任については、管理組合が負わない旨を駐車場契約または細則に規定することが望ましいこと
◆駐車場契約または細則に、管理費、修繕積立金の滞納等の規約違反の場合は、契約を解除できるかまたは次回選定時の参加資格を剥奪できる旨の規定を定められること

前回、マンション標準管理規約(単棟型)における共用部分等の駐車場使用について、駐車場使用者を区分所有者に限定していること、駐車場に空き区画があるなら修繕積立金不足対策などのために規約を変更して区分所有者以外の者に貸し出すことも考えられること、区分所有者以外の者に駐車場を有償使用させる際の税務上の取扱い、をお話ししました( https://www.eiko.gr.jp/lawtag/kinoshima/ ご参照)。
今回も引き続き、標準管理規約(単棟型)における共用部分等の駐車場使用について、追加でお話しします。原文にもあたっていただくことをお勧めします。
標準規約条文第1~4章まで (mlit.go.jp)

同規約添付のコメントでは、要約しますと以下の注意事項が述べられています。
1.駐車場と同様に扱うべきものとして倉庫等があること
2.使用者の選定方法をはじめとした具体的な手続、使用者の遵守すべき事項など駐車場の使用に関する事項の詳細については、「駐車場使用細則」を別途定めること
3.駐車場使用契約の内容(契約書の様式)も駐車場使用細則に位置付け、総会で合意を得ておくことが望ましいこと
4.標準管理規約15条3項を前提にすると、区分所有者がその専有部分を第三者に貸与すると、その区分所有者の駐車場使用契約は効力を失うこととなるが、同条項は、「家主同居型の住宅宿泊事業」を実施する場合(住宅宿泊事業者が自ら使用している専有部分において宿泊させる場合)は対象としていないと考えられること
5.車両の保管責任については、管理組合が負わない旨を駐車場使用契約または駐車場使用細則に規定することが望ましいこと
6.駐車場使用細則、駐車場使用契約等に、管理費、修繕積立金の滞納等の規約違反の場合は、契約を解除できるかまたは次回の選定時の参加資格をはく奪できる旨の規定を定めることもできること
7.駐車場使用者の選定は、最初に使用者を選定する場合には抽選、2回目以降の場合には抽選または申込順にする等、公平な方法により行うこと
8.マンションの状況等によっては、契約期間終了時に入れ替えるという方法または契約の更新を認めるという方法等について定めることもできること
9.駐車場が全戸分ない場合等には、駐車場使用料を近傍の同種の駐車場料金と均衡を失しないよう設定すること等により、区分所有者間の公平を確保することが必要であること
10. 駐車場使用料の設定において、近傍の同種の駐車場料金との均衡については、利便性の差異も加味して考えることが必要であり、また、平置きか機械式か、屋根付きの区画があるかなど駐車場区画の位置等による利便性・機能性の差異や、使用料が高額になっても特定の位置の駐車場区画を希望する者がいる等の状況に応じて、柔軟な料金設定を行うことも考えられること

なお、コメントには、駐車場使用契約書のひな形が記載されています。
以上を参考に、駐車場等の使用細則を定めたり使用契約を結んだりすることが考えられます。