デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制
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デジタルの活用によりサービスや仕事の在り方を変革する、デジタルトランスフォーメーションを推進する動きが社会全体で広まっています。行政のデジタルトランスフォーメーションについても、昨年12月に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」において、その必要性が示されており、本年9月に設置されるデジタル庁の主導の下、取組が進められる予定です。
このような社会情勢を踏まえて、デジタル技術を活用した企業変革を進める観点から、「つながる」デジタル環境の構築(クラウド化等)による企業変革に向けた投資について、税額控除(5%、3%)又は特別償却(30%)ができる措置が創設されます(2年間の時限措置)。

(1)適用対象法人及び適用要件
青色申告書を提出する法人で認定事業適応事業者である法人。
認定事業適応事業者とは、認定事業適応計画(産業競争力強化法に規定する認定事業適応計画)に従って実施される情報技術事業適応(生産性の向上又は需要の開拓に特に資するものとして主務大臣の確認を受けたもの)を行う認定事業適応事業者をいいます。
主務大臣から以下の両方について確認を受ける必要があります。
①デジタル(D)要件(データ連携・共有、レガシー回避、サイバーセキュリティ)
イ 他の法人等が有するデータ又は事業者がセンサー等を利用して新たに取得するデータと既存内部データとを合わせて連携すること
ロ クラウド技術を活用すること
ハ 情報処理推進機構が審査を行う認定(DX認定)
②企業変革(X)要件(ビジネスモデルの変革、アウトプット、全社戦略)
イ 商品の製造原価が8.8%以上削減されること等
ロ 生産性向上や売上高の上昇の目標を定めること
 計画期間内で、ROAが2014年~2018年平均を基準値として1.5%ポイント向上
 計画期間内で、売上高伸び率≧過去5年度の業種売上高伸び率+5%ポイント
ハ 投資総額が売上高比0.1%以上であること

(2)適用対象資産
①情報技術事業適応設備
認定事業適応事業者が、指定期間内に情報技術事業適応の用に供するために特定ソフトウエアの新設若しくは増設をし、又は情報技術事業適応を実施するために利用するソフトウエアのその利用に係る費用を支出する場合における、その特定ソフトウエア並びにこれらのソフトウエアとともに情報技術事業適応の用に供する機械及び装置並びに器具及び備品をいいます。
②事業適応繰延資産
認定事業適応事業者が、指定期間内に、情報技術事業適応を実施するために利用するソフトウエアのその利用に係る費用を支出した場合における、その支出した費用に係る繰延資産をいいます。
(3)優遇税制の内容
特別償却又は税額控除の選択適用ができます。
①特別償却
 取得価額×30%
②税額控除
 取得価額×3%
 ただし、グループ外の事業者とデータ連係する場合には、5%)
なお、設備投資総額の上限は300億円とされています。