セクシャルハラスメントについての雑感
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<ポイント>
◆ハラスメント全般について意識のアップデートが必要
◆ジェンダーハラスメントにも注意
◆相手を軽んじる意識がセクハラになりがち

ハラスメントに対する企業の防止措置が義務化されたこともあり、企業でハラスメント研修をさせていただく機会が増えています。
パワハラをメインにセクハラ、マタハラについてお話させていただくことが多いのですが、今回は、セクハラについて普段お話していることを書きたいと思います。

ハラスメント全般についていつもお話するのは、意識のアップデートが必要ということです。
20年前、30年前の感覚のままで社会人生活を送っていれば周りとの軋轢が生まれてしまいます。
例に出して恐縮ですが、昔の島耕作さん(人気漫画の主人公)が現代の上場企業の課長になったらどうなるだろう、と考えていただければイメージしやすいのではないでしょうか。

セクハラの話に関連した話題としてはジェンダーハラスメントの問題が比較的新しいトピックです、
ジェンダーハラスメントとは、性別により社会的な役割が異なるという固定概念にもとづく嫌がらせのこと。「女のくせに」「男のくせに」「女性なら~すべき」「~なのが男性だ」などがジェンダーハラスメントに該当します。
悪意なく言っている場面もあり、かつ必ずしも否定的なニュアンスで発言していないことも多いのですが、このような発言が多い職場では男女ともに生き生きと働くことは難しいですし、こういう発言を繰り返す上司は好かれない、尊敬されないだけでなく、人間関係が悪化して効果的な指導ができなくなることも危惧されます。
特に職場において、男とは、女とは、という言い方をするときには、本当にそのような言い方が業務上必要かをよく検討してから行うべきでしょう。

また、セクシャルハラスメントの加害者について総じていえることは、相手に対する恋愛感情があることはまれだということです。
なかには自分が恋愛感情を抱き、相手も恋愛感情を抱いているとの思い込みのもと、ハラスメント行為に及ぶ場合もありますが、実際のケースとしてはむしろ相手を軽んずる意識が性的な嫌がらせに結び付くケースのほうが圧倒的に多いと感じます。
セクハラが問題となったときに、加害者の言い訳として、相手に性的関係を持とうと思ったことはない、相手に対して恋愛感情はない、果ては妻とは円満であり離婚する気持ちはない、などを聞くことが多いのですが、被害者の立場になったときこれらの言い訳がなんの意味もないのは少し考えると明らかだと思います。
相手に対し、通常の関係であれば許されないような性的な言動が自分には許されるのだ、というような思い上がりや歪んだ自意識がセクハラの根底にあるように思います。
このところ企業のトップや有名俳優のセクハラがニュースをにぎわしていますが、これらのケースにも共通するものを感じます。
ここまで悪質なケースはまれだとは思いますが、職場において性的な言動をしがちな人は、このような言動が相手を軽んじることになるのではないか、相手がはっきり拒否しない場合でもこのような言動は相手にとって不快なものである可能性はないのか、を意識する必要があります。
特に職場においては性的な発言が必要な場面はほぼ想定されないので、この分野についての言動は抑制的にすることが求められます。