執筆者:札勘スイマー
2016年09月15日

2年半程前のエッセイにおいて、「全都道府県へ足を運ぶことを目指している。」と、言っていましたが、現在残すところあと宮崎県1県となりました。それまで、新潟県と宮崎県になかなか訪れる機会が無かったのですが、今年の5月末にようやく念願の新潟県へ行くことができましたので、今回はその新潟での出来事についてお話します。

今まで何度か新潟の観光地を調べていました。しかし、新潟の方には失礼ですが、なかなか魅力的な場所も無く、しかも新潟県は47都道府県で第5位の面積ということもあり、新潟市内を拠点に移動するには、範囲に限界があります。
ということで、どこを巡るかはかなり思案しましたが、今回は珍しく事前に一度集まり、どこに行くか打ち合わせをして、旅行に臨みました。

旅行初日。
新潟空港から、パワースポットの彌彦神社がある西蒲原郡弥彦村弥彦に向かいました。

この彌彦神社は、新潟県で1番のパワースポットと言われています。仕事運アップのご利益もあるとのこと。
天照大神の曾孫にあたる「天香山命(あめのかごやまのみこと)」を御祭神としています。
万葉の昔から「おやひこさま」の愛称でひろく人々の信仰を集め、また神領地として時の朝廷や幕府、武将の手厚い庇護も受けてきたそうです。創建年代は不明ですが、万葉集にも歌われるほどの歴史があるとのこと。
霊峰弥彦山の麓、樹齢400~500年の杉や欅に囲まれた深い杜に佇む彌彦神社は、とても神聖な場所に感じました。
また、神社はもちろんのこと、その後ろにある弥彦山も山全体がパワースポットとして有名だそうです。

弥彦山へは、ロープウェイに乗り、5分程で到着します。眼下には雄大な越後平野とその奥には、越後の山々が連ります。
標高634mからの景色を堪能しながら、途中、タクシーの運転手さんがわざわざ停車してまで、お勧めと言っていた「パンダ焼き」を買っていたので、それを食しました。

この「パンダ焼き」とは、正式には「白パンダ焼き 弥彦むすめ(枝豆)餡」と言うそうで、ニッポン全国ご当地おやつランキングの第1位を獲得したおやつだそうです。1個130円で、米粉を配合したモチモチの生地の中に、弥彦特産の枝豆(弥彦むすめ)の餡が入っていて、とても美味しかったです。

そんな長閑な田舎町から、宿泊先である新潟駅周辺に戻って来たのは夜のこと。
夕食をどこにしようかと街中を散策していると、1件の小料理屋を発見!
ちょうど夕食時であったので、カウンター席しか空いておらず、先に座っていた1人の男性の隣に案内されました。

新潟といえば、お米・日本酒・海産物・村上市特産の村上牛・長岡市の名産品の栃尾の油揚げと、名物であろう品を注文。
その中で、「栃尾の油揚げ」は、一般的に知られている油揚げの2~3倍はあるであろうボリューム満点の大きさ・厚みがその特徴で、おかずとして主役を張れる程のものでありました。

私たちが食事をしていると、その隣に居た男性が話し掛けてきてくださいました。
「どちらからお越しですか。日本酒をお飲みになるなら、こちらはどう?」と、ご自身が注文していたお酒を私たちに注いでくれました。辛口の日本酒が好みの私は、「もっと辛口がいいかな…。」と言うと、また別のお勧めのお酒を注文してくださいました。
そんなやり取りが続く中で、この男性は10年程前に役所を辞め、その後介護施設を経営している60歳の理事長さんであることが分かりました。大阪を訪れたことはあるが、あまり印象が良くなかったこと、「関西なら、やはり京都が良い。」
と言われ、大阪に住む者として、なんとか大阪のイメージ挽回に繋がるよう頑張って会話を続けました(笑)。
また、「パンダ焼き」の餡にもなっていた枝豆はやはり新潟ではイチオシらしく、茹でた枝豆も頼んでいただきました。

理事長さんと話し込んでいたら、あっという間に22時過ぎに。。。
翌朝、佐渡に渡る予定だったので、早くホテルに戻らないとなぁと思いつつも、その理事長さんは、「もう1軒、私たちを連れて行きたいところがある。」と、オシャレなBarに案内してくださいました。

そこでも新潟のことや世間話を1時間超して、この日は解散しました。帰り道で、連絡先交換と当事務所の名刺も渡しアピールもしておきました(笑)。沢山のお酒とお料理をご馳走になり、旅先での出会いも良いものだなぁと感じながら、旅行1日目を終えました。

旅行2日目。
早朝からジェットフォイルという高速船に乗り、佐渡島を目指します。
ジェットフォイルは揺れもなく快適で、1時間程で、新潟港から両津港に到着します。

ここで佐渡島の簡単な説明をすると、面積は約855平方キロメートル、海岸線は約280㎞あり、東京23区や淡路島、海外ではグアム島やプーケット島の約1.5倍の大きさがある、日本海側最大の島です。
気候は海洋性、四季の変化に富んでいて、夏は高温多湿、冬は雪国のイメージがある新潟県ではありますが、佐渡沖を流れる対馬暖流の影響を受けることから、積雪は本土よりも少ないそうです。
人口は約59,000人(平成27年3月末)、豊かな土壌と気候を活かした農業や漁業などが営まれています。

両津港に降り立ち、レンタカーを借りて、私たちは「大野亀」に向かいました。
車で少し走ると商店街や大型商業施設があって、一見、本土から離れた島に居ることを忘れてしまうぐらいの街並みや、海岸線に差し掛かると急に1車線になり、対向車が来ればどちらかが譲らないと通れない道になったりと、ドキドキしながらのドライブです。

佐渡の北の海に突出する亀形の大岩塊「大野亀」までは、両津港から車で約60分で到着します。
ちょうどこの時期は、「トビシマカンゾウ」という黄色いお花が大野亀の一面に咲き渡たり、日本一の大群落が見られました。
ここで、写真を撮ったり、少し散策をして、お昼ご飯のため、理事長さんお勧めの「弁慶」というお寿司屋さんに向かいました。

そして、昼食を取り、次に目指すのは佐渡金山です。

佐渡金山の坑道観光には、宗太夫坑(そうだゆうこう)江戸金山絵巻コースと、道遊坑(どうゆうこう)明治官営鉱山コースの2種類があります。友人が坑道内に置かれている炭鉱労働者の人形が苦手ということもあり、私たちは人形の展示が無い道遊坑(どうゆうこう)明治官営鉱山コースを選択しました。坑道内は、とても涼しく、夏でも肌寒いくらいです。

この「道遊坑」は、明治32(1899)年に開削され、佐渡金山の近代化に大きく貢献したそうです。坑道奥には、平成元年の休山まで採掘されていた採掘跡が現存し、坑道を含め、トロッコ、機械工場、粗砕場など多くの設備が操業当時の姿のままで残されています。また、このコースは、道遊の割戸直下の採掘跡、道遊の割戸を間近に見るポイントや高任公園からの道遊の割戸の絶景ポイントと、佐渡金山のシンボルである「道遊の割戸」を存分に堪能することができました。

それから、私たちは佐渡といえば、やはり「トキ」を見学しないとということで、「トキの森公園」に向かいました。

「トキの森公園」は、佐渡島の中央部に広がる公園で、「トキ資料展示館」と「トキふれあいプラザ」があります。
この施設では、トキが飛翔可能な大型ケージを整備し、その中により自然に近い環境を再現することで、飛翔、採餌、巣作り等トキの生態を観察できるようになっています。近くで見ると「トキ」は思ったよりも小さく、希少な感じが漂っていました。

あと、佐渡で1つ心残りなことがあります。
小木海岸で昔から伝わるたらい舟に乗ってみたかったのですが、佐渡島は思ったよりも広く、半日では回りきれず、残念ながらまたの機会ということに。。。

旅行3日目。
この日は、新潟県を離れ、福島県の会津若松市へ向かいました。福島県は五色沼までは行ったことがありましたが、難攻不落の名城「鶴ヶ城」を是非訪れてみたかったので、高速バスで2時間弱揺られ出向きました。
戊辰の戦役で新政府軍の猛攻の前に籠城1ヵ月間、城は落ちなかったそうです。石垣だけを残して取り壊されたのは明治7年のこと。
たくさんの方々の寄付により鶴ヶ城がよみがえったのは昭和40年9月だそうです。平成23年春には、幕末時代の瓦(赤瓦)をまとった日本で唯一の天守閣となり、平成27年4月、天守閣再建50周年を記念にして、展示室が全面リニューアルされました。

「鶴ヶ城」を観光後、地元の名物「田季野の輪箱飯(わっぱめし)」をいただき、会津を後にしました。

今回の旅行は、初日に地元の方との触れ合いがあり、そこで新潟の話を沢山伺うことが出来て、いつもとは違った濃密な旅になりました。その理事長さんが大阪にお越しになる際は、連絡をくれるとのことなので、今度は是非、大阪の印象を良くしてもらえるような素敵なプランを考えてお待ちしたいと思います。