昨年はボリビアのウユニ塩湖に行き、天空の鏡と賞される美しい景色を堪能しました。
がしかし、私も一緒に行った友人も同じ思いが残りました。
「何かが足りない・・・。」
何か・・・そう、美しいタイルが足りないのです。
イスラム建築好きの私たちは、美しいタイルやアラベスク模様に出会うことのない旅では不完全燃焼を起こしてしまいました。
そして、そのくすぶりはGWに私たちを中東に向かわせました。
行先に悩んだ末、2度目になりますが、UAEとオマーンに行くことにしました。
アブダビのシェイク・ザイード・グランド・モスクとオマーンのスルタン・カブース・グランド・モスクはどちらもとても美しいモスクで、一度行っていますが機会があればもう一度ゆっくり見たいと思っていました。
外務省の海外安全HPを見ると、中東は赤、オレンジ、黄(=何らかの危険がある)と色鮮やかな中、幸いUAEとオマーンの2ヶ国は真っ白(=安全)です。
これもアッラーのおぼし召し。まるで行けと言っているようです。
中東は行けるときに行っておかないと、いつ行けなくなるかわかりません。などと、都合のいいように解釈して自分に投資してしまうのは、バブル世代の悪い癖でしょうか。
今回もアバヤ(イスラムの女性の黒いドレス)登場です。日中は40℃を超えるなか、黒い長袖、スカーフは堪えます。毎日、熱中症なのか疲れなのか持病の片頭痛かわからない頭痛が襲います。
現地の人にとってアバヤのウケが断然いいのは確認済みなので、もしや今回も特別に本来入れないところも見せてもらえるかも・・・と若干の下心を秘めつつ、暑さをがまんしてアバヤを着ました。案の定「その格好はとても良い。」と今回も現地の人に大好評でした。
しかし、今回は裏目にでました。
シャルジャのキング・ファイサル・モスクはイスラム教徒しか入れない大きなモスクですが、観光客は入口から見るだけなら見せてもらえます。入口から写真を撮るだけのつもりで行ったのですが、黒づくめの私達の格好はどう見ても礼拝にやってきたイスラム教徒にしか見えません。
「女性の礼拝はこっち。」と女性用礼拝所に案内されてしまいました。(通常、モスクでは女性用入口や礼拝場所は分かれている。)
簡単に入れてしまいましたが、そこからは男性用であるメインの広い内部が見えません。観光客として入口から覗くだけでよかったのに、やりすぎたばっかりに礼拝にきた人と間違われてしまいました。(後でちゃんと入口からも見ました。)
また、今回この国を訪れるのが2度目なことを言うと、かなりのイスラム好きと喜ばれ、イスラム教の良さを熱く語られたりもしました。「あなたはいつかイスラム教徒になるだろう。」と軽く勧誘されたりもしました。
今回、意外に思ったのは、普通、外国で日本から来たというと、「トウキョウ?オオサカ?」と聞かれますが、今回はよく「ヒロシマ?」とも聞かれたことです。
「日本はアメリカに原爆を落とされて本当に気の毒だ。子供や残された家族を思うと本当に悲しい。許せない。」と日本もアメリカを敵と考える自分たちの仲間と感じている人もいるようです。こんなときは返答に困ります。不用意なことは言えません。
イスラムの国では日本にいい印象を持ってくれている人が多いので、私たちがその印象を悪くしないようにだけは気を遣います。
さて、今回のメインのひとつ、オマーンのスルタン・カブース・グランド・モスクですが、ここは午前中しか見学できないので、今回はこのモスク見学のために2日取りました。
そして、嫌というほど見まくりました。
前に行ったときの見足りない感は、もう全くありません。
アブダビのシェイク・ザイード・グランド・モスクも朝は開門と同時くらいに行きました。ここでも嫌というほど見まくりました。
このモスクは夜のライトアップも見学できるので、昼は一旦、ショッピングモールで涼み、ライトアップの始まる時間にまた行きました。昼にあれほど見たのに夜は見え方が違うので、また同じくらい時間をかけて見まくりました。
ここも2日間予定していましたが、2人とも「もうモスクはいい、吐きそうや。」と言って2日目はやめました。
ここも前に行ったときの見足りない感は、もう全くありません。
ふだんは帰りの飛行機で撮った写真の復習などするのですが、途中まで見て挫折しました。
今回、2つのモスクをメインに行きましたが、他にもドバイのジュメイラモスクや世界で最も美しいスターバックス(モスクのような造り)やアル・ブスタン・リッツカールトン・ホテル(ロビーがモスクのよう。しかも超煌びやか)など、毎日、これでもか!これでもか!とイスラム建築に浸り続けました。
すっかり完全燃焼しました。
▲スルタン・カブース・グランド・モスク
▲シェイク・ザイード・グランド・モスク
▲世界で最も美しいスターバックス