前回掲載した『サッカー日本代表について』のエッセイから早6ヶ月が過ぎ、今回もまたまたサッカーの話題になってしまいますが、2月24日(金)大阪長居スタジアムで行われた日本代表vsアイスランド代表の試合を観戦してきましたので、この一戦についてお話したいと思います。
最近の日本代表の試合は、海外組(海外のクラブチームに所属する選手)が来日予定の試合や対戦相手がFIFAランキングの上位国となると、予約をしてもチケットの入手が困難であり、私にとって4年4ヶ月ぶり(オシム監督時代のエジプト代表戦)となるスタジアムでの観戦となりました。
冬のサッカー観戦は、以前訪れた12月の天皇杯(セレッソ大阪vs鹿島アントラーズ戦)以来で、その時は雪が舞うほどの寒さとなり、じーっと座っての観戦はとても辛かったのですが、この日は思ったよりも冷え込んでいなかったので、快適に試合を観ることができました。
今回は平日の試合ということで、仕事終わりで長居スタジアムまで駆けつけることとなりました。そのため練習から見ることはできず、座席に辿り着いたのはキックオフ予定の3分前、アイスランド国歌斉唱の途中でした。ちなみに日本の国歌を斉唱したのは“島谷ひとみ”さんで、10年程前、大学の学園祭ライブを見に行った以来の生歌でした。そういえば、当時『亜麻色の髪の乙女』が流行していたなぁ…としみじみ感じながら、国歌を聞いていました。
そして、いよいよキックオフの時間!
スタジアムは超満員で、また会場に響き渡る声援で気分はますます高揚してきました。
ここで試合の内容に入る前に、私がサッカーを生観戦する目的をお話したいと思います。
テレビ中継の方が選手たちも鮮明に見え、実況・解説もあって分かりやすいと言われますが、もう20年近くサッカーを観戦してきて、テレビで映る範囲のプレーだけでは物足りなくなってしまっています。
サッカーはボールがあるところだけ見ていればよいと考える方も多いと思いますが、各ポジションでは様々な動きをしています。それを全体的に見るにはやはり、スタジアムに足を運ばなければ分からないのです。
しかし、実はこんなサッカー好きの私でも一度だけ、野球の観戦に行ったことがあります。10年程前、グリーンスタジアム神戸で行われたオリックスvsダイエー(現 福岡ソフトバンクホークス)の試合です。
この試合で、城島選手(現 阪神タイガース)が1試合に3本のホームランを打ったことを今でも鮮明に覚えています。この時の座席はキャッチャーの真後ろで、ボールもよく見え、またベンチも近く選手の様子もはっきり見えたので、とても満足して観戦することができました。
しかし、外野などマウンドから離れている座席では、試合の様子などはっきりと見えないような気がして、その点においてサッカーはどの座席からでも試合を把握することができるので、観戦に行かれたことがない方には是非お薦めしたいと思います。
さて、試合の話に戻りますが、前半2分早速、前田選手(ジュビロ磐田)がヘディングシュートを決めました。
試合開始直後のゴールに観客も驚いていましたが、最高の試合運びでした。また、私の好むサイド攻撃も多く、左サイドバックで出場していた槙野選手(浦和レッズ)も高い位置をとっていて、その空いたスペースにボランチと呼ばれる遠藤選手(ガンバ大阪)や増田選手(鹿島アントラーズ)がカバー(守備)をしていたので、格下相手とは言えども安定した守備を見せていたと思います。
そして、今回また改めて感じたことがありました。現日本代表で最年長となる遠藤選手は感情を面に出さず飄々とプレーしていますが、とてもよく動いていて、視野も広く、足下の技術は本当に素晴らしいなぁと感心してしまいました。
それから各選手それぞれのプレーに注目していましたが、特に動きが無く、前半を1-0で終了し、ハーフタイムに突入しました。
後半に入り8分、中村憲剛選手(川崎フロンターレ)からのスルーパスを藤本選手(名古屋グランパス)がキーパーの動きを見て、ボールを浮かし、ゴールを決めました。藤本選手のことは以前から、上手いなぁと思っていましたが、そのプレーを目の当たりにするとさらに納得ができました。
そして、この試合一番の注目となったのは、後半から出場したアイスランド代表の背番号7番、ソルステインソン選手のスローイングです。テレビでご覧になられた方もいらっしゃると思いますが、な、なんと“ハンドスプリングスロー”を行ったのです。助走を大きくとり、両手で持ったボールを地面につけて前方倒立回転とびをして投げるものですが、30メートル近くは飛ばしていました。ボールのスピードもとても早くて、その威力はコーナーキック並みのものでした。後半だけで7回程披露する機会がありましたが、回数を重ねて行くうちに私たちサポーターは、大喝采!!ボールから手を離す際には、バレーボールのサーブを打つ時の掛け声をかけるようになり、スタジアム内はかなり盛り上がっていました。
日本代表のホームでの試合なのに、相手選手の思わぬプレーにより注目をさらわれた『SAMURAI BLUE』の選手たちですが、後半32分“調子乗り世代”の代表格、槙野選手が3点目を押し込みました。ロスタイムにはその槙野選手がペナルティエリア内で相手選手を倒してしまい、PKを与えてしまいました。良い面でも悪い面でも目立っていた槙野選手でしたが、失点はその1点のみで試合終了。3-1で日本代表は勝利しました。
3月7日現在のFIFAランキングでは、アイスランド代表121位に対し、日本代表は33位と随分格下相手ではありましたが、高さと激しい当たりに苦しみながらも3点を取ることができたので、まあまあの試合ではなかったかと思います。
久々の日本代表の試合観戦でしたが、Jリーグから選ばれた今一番調子の良い選手たちのプレーを観ることができたので、本当に楽しい90分となりました。
3月に入りJ2・J1と開幕し、サッカーシーズンが到来しました。
残念ながら私が応援する鹿島アントラーズは初戦黒星となりましたが、今年から新監督となった元ブラジル代表で鹿島のOBでもあるジョルジーニョ監督に大きな期待をしつつ、優勝を目指して頑張って欲しいものです。