愛犬と散歩をしていると「かわいいワンちゃんですね。」「かわいい服ですね。(犬が)」と声をかけられることがある。
「ありがとうございます。」と答え、そこから「男の子ですか?」「何才ですか?」という感じで会話が進む。
最初の「かわいいワンちゃんですね。」は、犬を連れている人に対する王道の声のかけ方だ。
しかもこれで相手も愛犬家であることがわかる。
愛犬家とまではいかない人や男の人はちょっと遠慮して「かわいい犬ですね。」と声をかけてくる。
そしてここからさらに分かれる。
「何才ですか?」聞く人は、その人も犬を飼っていて犬の年齢が分かる人だ。犬を飼っている者どうしで話がしたい、情報交換もしたいと思っている人であることが多い。
こういう人としゃべってみると、どの病院がいいとかどこに高齢犬の施設があるとか有益な情報を得られることが多い。
「かわいい犬ですね。」で始まって、次に「私、犬が大好きなんですよ。」と続く人は微妙だ。
”ワンちゃん”でない点や、”私も飼っている”でない点も重要なポイントだ。
本当の犬好きと、単にしゃべりたいためにこう話しかけてくる人がいる気がする。
そして「私、犬が大好きなんですよ。」のあとに「何ていう犬種ですか?」とくると、犬好きの程度はさらに低くなるように思う。本当の犬好きはメジャーな犬種はわかるものなのだ。
さらにこれが男の人なら要注意。会話から家族構成、留守時間の探りを入れようとして犬好きを装って話しかけてきている可能性もある。
こういうときは、今日はたまたまこの公園に来ただけという感じで無難は会話だけして、走り出す犬に付いて行って遠ざかる。(正確には走り出させている。)
犬連れは話しかけられやすいけれど、走り出す犬を追いかけながら逃げやすくもある。
やっかいなのが、「かわいい犬ですね。」と近づいてきて「触ってもいいですか。」と聞くや否やしゃがみ込んで犬を触る人。その手にウイルスが付着しているかもしれないのに・・・。
犬を飼っている者どうしなら、飼い主の許可なしに飼い犬に触ってはいけないというのがマナーであることはわかっている。こういう人は多分犬は飼っていないのだろう。犬好きかどうかもあやしい。以前にこうやって近づいてきていきなり犬を触り、立ち止まされ、宗教の勧誘が始まったことがある。
犬を触っている間、相手を立ち止まらせることができる。相手を引きとめる手段に使う者もいる。とりあえず触ってしまえという感じで来る人は要注意である。
ちょっと遅い時間に散歩をしているときだと「犬の散歩、大変ですね。」と声をかけられることも多い。
いえいえ、とんでもない。毎日、私を散歩に連れ出してもらってありがたいくらいだ。犬の散歩がないと危うく全く運動をしないところだ。私の健康は愛犬のおかげで保たれているといっても過言ではない。
声をかける方も「本当に大変そうだ」とそこまで思っていなくても、犬がいるとちょっとした会話をするきっかけになる。犬をかわいがっているのだから、悪い人ではないだろう、と声もかけやすい。
こうやって話しかけてくる人は、犬は飼っていないが、犬はそこそこ好き。むしろ人としゃべるのが好きなタイプが多い気がする。
そして同じくキャバリアを連れている人、または連れていなくても家にキャバリアを飼っている人。
これらの人はとにかくキャバリア愛を分かち合いたいという気持ちが強い人が多い。
キャバリアを飼っているというだけで見ず知らずでも強い連帯感がある。
まず離れたところでお互いのキャバリアを認識するや、互いに歩み寄って行く。そして知り合いに会ったかのように当然に「こんにちは」と言ってそのあとキャバリアの話で盛り上がる。
連れていなくてもキャバリア飼いには「うわ~っ!キャバちゃんだ。うちにもキャバリアいるんですよー。」とテンション高めで近づいてくる人が多い。(気がする)そして普通に知り合いと話すようにキャバリアの話で盛り上がる。
この馴れ馴れしいともいえる様子を見ていたペットを飼っていない友人が、「えっ初対面?あまりに親しく話しているから知り合いかと思った。」と驚いていた。
その後、その友人は猫を飼い始め、「気持ちがわかった!」と、今では話しかける側の人になっているようだ。
犬を連れていると、話のきっかけになりやすく、声をかけられることも多い。
声をかけてくる人の中に混じっている一部の変な人さえ見極めれば、犬の散歩は愛犬との楽しい時間であり、よい運動であり、人とのコミュニケーションを楽しむ良い時間だ。
犬の散歩は決して面倒なものではなく、愛犬が私に与えてくれる幸せな時間なのだ。