執筆者:イスラム建築マニア
2011年05月15日

インド人は本当に毎日カレーを食べるのか。

私はかなりピリ辛好きで、カレーも大好きである。3日連チャンくらいなら食べられる。でもそれ以上となるとさすがにキツイ。飽きる。

インド旅行をしたときのこと。インド人の友人やその家族と食事をとることが多かったが、本当に、毎食何らかのカレー味の料理を食べていた。
朝からカレー味のサモサ。昼に野菜カレー。晩にチキンカレー。翌日はマトンカレー。こんな調子でほぼ毎日カレー。

日本人にしてみると、具が変わってもカレーはカレー。「どれもカレーやん!」と言いたくなる。
ところがインド人にしてみれば、野菜カレーとチキンカレーとマトンカレーは全く別物の料理のようだ。具材によって使うスパイスが(ほんの)ちょっと変わる。具材もスパイスも違う。これはもはや全く別の料理なのだ。日本人の中にはチキンからマトンに変わっても、強烈なカレー味にかき消され、スパイスはおろか、肉が変わったことにさえ気付かず食べる人もいるのではないか。(ちょっと言い過ぎ?)

それにしてもインド人はカレーに飽きないのか。

考えてみると、日本人もよく似たことをしている。昨日は豆腐の味噌汁、今日はわかめの味噌汁、明日はじゃがいもの味噌汁と、具だけを変えて同じような味噌味で食べる。同じ豆腐の味噌汁を続けて食べると、「今日も同じだ。」と飽きるのに、具が変わるだけで違う味噌汁として受け入れられる。インド人にとってのカレーはそんなものだろうか。
いや、それ以上に和食全般に使われる醤油味のくくりとインド人のカレー味は匹敵するのではないか。

和食といっても寿司にてんぷら、煮物、焼き物、鍋料理までいろいろあるし、日本には和洋折衷の料理も多い。日本人にとって全く違う味付けで全く違う料理でも、味付けにほんの少しでも醤油が入る限り、日ごろからスパイスを嗅ぎわけることに慣れているインド人はこれを見破り、それらをすべて醤油味の料理としてとらえている。

今、インド人の友人が日本に来ている。
案の定、毎日、毎日カレーを食べている。「醤油味はあまり好きではない。」と和食全般を軽く否定して、毎日、カレーを食べている。具を変えて。同じチキンカレーを続けて食べることはない。「それは昨日食べたところだからいらない。」と言う。
日本にはおいしい料理がたくさんあるのに、日本に来てまでカレーを食べ続けるか?
と言いたくなるが、日本人も外国人からは、「日本人は海外旅行に醤油を持参してきて何にでもすぐ醤油をかけて食べる。」と言われる。海外旅行先のレストランで時々なぜかと聞かれる。(但し、私はしたことがない。)
どうもお互い様のようである。

というわけで、インド人が毎日カレーを食べるのは本当である。
但し、インド人は毎日全く違う料理を食べていると思っている。ちょうど、日本人が普通に和食を食べているのと同じ感覚のようである。