以前、このホームページ上で第31回篠山ABCマラソンでの初マラソン挑戦を宣言しました。
すこし日数は経ちましたが、初マラソンの結果についてご報告いたします。
昨年12月1日時点では目標タイムは3時間30分でしたが、その後私は『BORN TO RUN』を読んでハイテンションになり、年始の時点で目標を「初マラソンでサブスリー」に上方修正しました。
『FREE』といい『BORN TO RUN』といい、NHK出版はいい仕事をしています。『SHARE』もこれから読んでみます。
「サブスリー」というのは、3時間未満でフルマラソンを走ることをいいます。
市民ランナーにとっては大きな目標のひとつです。マラソン人口のうちサブスリーランナーは4%くらいだそうです。
ポイント練習となる21キロ走のタイムがのびていたこともあり、『BORN TO RUN』を読んだ勢いを借りてサブスリーを目ざすことにしました。
2011年3月6日、篠山ABCマラソンの当日、私はシャトルバスにのって朝8時前に現地入りしました。
このときの気温は5度か6度くらいだと思いますが、体感としてはさほどの寒さではなく、スタート時刻にむけて気温が上昇していくことを考えると、「暑すぎず、寒すぎず」の良好な気象条件です。
受付けをすませ、軽くウォーキングしてストレッチをしたりして出走準備を整えていきます。
「初マラソンでサブスリー」という自分で設定した目標が重くのしかかり、ナーヴァスになります。うまくいかなかったときの言い訳を考えます。
種々雑多なことを考えましたが、整理すると次のとおりです。
①トレーニングは順調で計画以上 →言い訳材料にならない
②当日の体調も良好 →言い訳材料にならない
③当日の気象条件も良好 →言い訳材料にならない
④スペシャルドリンクも用意した →言い訳材料にならない
・・・大分頭をひねりましたが、言い訳の論理が思いつきません。
うまくいかないとすれば、それは己自身が「ヘタレ」だからだ。あきらめろ。
スタート時の混雑によるロスタイムを小さくしようと、スタート時刻の約1時間前に待機場所に陣取ります。体が冷えないよう雨ガッパを着てスタートを待つにつれ、だんだんとナーヴァスというより攻撃的な心持ちになってきます。
午前10時40分、号砲とともに陸連登録のランナーたちがスタートします。
遅れること10分、改めて号砲が鳴り陸連未登録のランナーが走りはじめます。私も未登録部門です。
篠山ABCマラソンでは目標タイムごとにスタート地点が指定されます。私はBブロックからのスタートで、前にはAブロックの約2000人がごったがえしています。
スタート地点にたどりつくまでに約1分半をタイムロスしましたが、いわば不可抗力であり気にしてもしょうがありません。
ストップウォッチは自分がスタート地点を通過したときから計測開始です。
走りながらリズムが合うランナーを見つけてその後方に位置どり、風よけにさせてもらいます。
周りのランナーとおしゃべりするくらいの余裕があります。ペースはほぼ設定どおり。
「こんなにラクチンでいいのだろうか?」という気持ちにもなりましたが、後半にそなえてペースアップは控えます。
中間地点は1時間26分台。公式にはスタート時のロスタイムが上乗せされますが、それでもサブスリー達成に向けて悪くないペースです。
5キロごとのラップは20分台で設定どおりの範囲で推移しています。
ここまでで残念なことといえば、スペシャルドリンクを取りそこねたことくらいです。
前方でスタートしたAブロックのランナーや10分早くスタートした陸連登録ランナーを追い抜きながら走ります。
25キロすぎで中学校前を通過します。
中学校の吹奏楽部の皆さんがZARDの「負けないで」を演奏していると聞いていましたが、やっていません。ちょっと残念だったこと・その2でしょうか。
27~28キロあたりから、すこしづつ疲労を感じはじめます。
ここまで地元篠山のランニングクラブのTシャツを着た、いかにも走りなれている雰囲気のランナーのすぐ後方に位置どってきましたが、ふとした拍子に差が開きそうになります。
「いちど離れたらジ・エンドだ」と思ってねばります。
「ここから本番」の30キロ通過。本日はじめてスペシャルドリンクをゲット。係員さんありがとう。ボトルに貼りつけておいたエナジージェルでカロリー補給します。
通過タイムは悪くない、と自分に言いきかせながら地元ランナー(上記の彼)の背中を追いますが、32キロあたりで決定的に差が開きはじめます。
さようなら地元ランナー。ここまで私を連れてきてくれてありがとう。
地元ランナーとの差は開きましたが、まだ周りのランナーを追い抜く程度のペースを維持できています。
「オレが遅いんじゃない。地元ランナーが速すぎるだけだ。」と自分に言いきかせます。
呼吸はラクなのに脚がいうことをきいてくれません。人生初の感覚です。
おまけに向かい風が吹いてきました。誰か別のランナーの後方につけて体力を温存しようと思いますが、ちょうどいいペースのランナーが見あたりません。
ひとりひとり追い抜いていき、風が強く吹いた瞬間は他のランナーの背中につけて体力を温存します。
苦痛の35キロ通過。5キロのラップタイムは21分10秒くらい。
体で感じるほどにはペースダウンしていないようです。前半の「貯金」も考えればサブスリー達成に向けて悪くないペースです。
本日2回目のスペシャルドリンクをゲット。ふたたび係員さんありがとう。オレンジジュースでクエン酸を補給。
38キロあたりからは、前を走っているランナーの脚が完全にとまってジョギングのようになっています。疲労でぼんやりとする脳みそで「ここでふんばれるかどうかがサブスリーの瀬戸際だな」というようなことを考えます。
沿道からも「がんばれ!ねばれば3時間切れるぞ!」という声が聞こえました。さすが篠山、応援する側も慣れているようです。
地獄の40キロ通過。5キロのラップタイムは21分20秒くらい。脳みそは計算に耐えられず具体的なゴールタイムは予測不能ですが、サブスリーはほぼ確実になってきました。
最後の2キロはヘロヘロになりつつも篠山城に戻り、なんとか無事にゴール!
記録は公式タイムで2時間56分27秒で、目標達成です。
ちなみにスタートライン通過までのロスタイムをのぞいたネットタイム(プライベートタイム)で2時間54分53秒です。
半年前にマラソン挑戦を思いたったときでは考えられないような結果をだすことができました。
もうすこしタイムを伸ばして2時間50分を切ると別府大分毎日マラソン、2時間42分切りで福岡国際マラソンの出走資格をゲットできます。
別大や福岡国際といえば、中山、瀬古、宗兄弟といった名ランナーが走ったレースです。
まだまだトレーニングしないといけませんが、ここまできたら挑戦あるのみです。
今後も経過をお知らせしたいと思います。