9月上旬、大学時代からの友人4人で、愛媛県松山市にある道後温泉に行ってきました。それぞれ個々で出掛けたりしたこともありましたが、4人揃ってとなると、8年程前に旅した長崎以来となります。
まず、私たち4人が集まると、必ず話題にあがることがあります。
それは、人間観察が好きな友人が、キャンパスで発見した1人の男の子の話です。
彼は、色白で少しぽっちゃりし、外見はどこにでもいるオタク風の男の子。いつも斜めがけバックと手には保冷バックを持ち、その保冷バックの中からコンパクト六法・教科書・昼食のおにぎり&サンドイッチが出てきます。
授業が終わり帰宅する時は、人が多くなくても必ず蛇行しながら(私たちの間では、シュプールを描きながら…と呼んでいます。笑)歩くのですが、蛇行していて人より多くの距離を歩いているはずなのに、駅までの到着時間が異様に早い。私たちが追い掛けようとするならば、小走りでも追い付けないほどです。そんな彼ですが、周りのみんなは誰一人として声を聞いたことがないため、どこに住んでいるのかなど、彼に関する情報が全くありません。それ以降、一度ハマるとトコトン追求してしまう私は、そんな彼のことを発見者より気になってしまったのです。
それからの私は、今となると若干ストーカーと言われかねない行動に走ってしまったのですが、(その内容は長くなるので割愛させていただきます。笑)それもまた、楽しかった思い出の1つとなっています。
結局のところ、彼の個人情報に関して一切分らず、現在もどうしているのか不明です。ちゃんと社会生活を送れているのか心配になりつつも、こうして大学時代の友人が集まると当時の思い出として今もなお語り尽くされるのです。
さて、旅行の話に戻りますが、今回は電車での旅ということで、新大阪~岡山までは新幹線、岡山~松山は『特急しおかぜ号』に乗車しました。往路の特急が、たまたまアンパンマン列車の『ドキンちゃん号』で、思わぬ形で乗車することとなりました。しかし、後から考えると、復路の通常の特急では全く揺れを感じなかったのに、『ドキンちゃん号』はとてもよく揺れていました。もしかすると、年季の入った列車の外観をアンパンマンのキャラクターに変更することによって、家族連れの乗車率を上げようとしているのではないかと、少し疑ってしまう程でした。
岡山から松山に向かうところで、ちょうど昼食時に差し掛かかることもあり、岡山駅で駅弁(瀬戸内産たこめし弁当)を購入しました。車内でお弁当を食べながら、車窓からは瀬戸内の島々、瀬戸内海を眺めつつ、その後、香川県を縦断し、旅らしいことを満喫しながら、大阪から約4時間を費やしての松山駅到着となりました。この日は蒸し暑かったこともあり、真っ先に冷えた『愛媛みかんジュース』を手にし、市電にて20分かけて道後温泉駅まで向うのでした。
今回のお宿は、道後温泉の本館からも近く、目の前には伊佐爾波神社があります。道後温泉駅から真っ直ぐ東へ500mほどの参道が続き、途中には大鳥居があり、参道を進むと、急勾配な135段の階段が見えてきます。その階段を上ると正面に楼門があり、四囲を廻廊で囲んだ社殿が立っています。そこで、参拝をしてお約束のおみくじ(恋みくじ)を引き、その内容を熟読しながら、夕食までの時間、ハイカラ通りという道後温泉本館へ続く商店街へ出掛けました。
ホテルでの夕食は、愛媛県ということもあり、鯛づくしのメニュー。翌日、鯛めしを食べたいと考えていましたが、それをもふっとばす程の量で、少食の私はすぐ満腹になってしまいました。
食事をしてから、少し休憩を挟み、ホテルの温泉へ。道後温泉の泉質はアルカリ性単純温泉となっていて、温度は42度~51度。神経痛やリウマチ、胃腸病や通風、皮膚病や貧血に効果があるといわれています。日本人の肌に合うなめらかなお湯で、湯治や美容に多くの人々から親しまれています。私は日頃から、肩こりに悩まされているので、ゆっくりと温泉に浸かり、リフレッシュに努めました。
その日の夜は、リラックスできたせいかすぐに就寝でき、朝起きてみると、2020年オリンピックも東京に決定していました。
その後、朝食を取り、2日目のメインである道後温泉本館と松山城に向かうのでした。
道後温泉本館は、明治27年に建築された三層楼のどっしりした構えで、近代的なホテルや商店街の中にあって、ひときわ風格ある姿を誇っています。浴場は2種類あり、1階の大浴場を神の湯、小さい方を霊の湯といい、浴槽は花崗岩でできています。
2階には、霊の湯のほかに、神の湯を利用する人のための広間(脱衣場)があります。湯玉印のゆかたを貸してくれ、湯上がりには、お茶とお菓子のサービスがあります。
また、皇室専用浴室の『又新殿』をはじめ、夏目漱石ゆかりの『坊っちゃんの間』、俳人・河東碧梧桐の書軸などをおさめた『展示資料室』があり、近年では『千と千尋の神隠し』のモデルとなった温泉として観光客の人気を集めています。
そして、ここで思わぬ発見をしました。3階の「坊っちゃんの間」に飾られてあった写真の漱石(28~29歳頃)がとても男前なのです!!
平成16年から、千円札は、夏目漱石から野口英世に変わりました。そのひと昔前のお札に描かれてある漱石の印象が強かったこともあり、私たちのテンションは一気に上がりました。
次のお札改訂では、千円札は漱石に戻していただき、是非20代の写真を採用して欲しいものです。
その後は、松山城を訪れ(時間が無かったことを理由に、リフトで楽々と頂上まで上がり)一通り見学をして、最後に伊予柑ソフトクリームを頬張りました。
またお城の近くには、松山市内に住んでいた友人のおススメ『霧の森大福』のお店があり、それを購入して急いで帰宅の途につきました。
この日の天気予報で、降水確率50%だったため、雨の心配をしていましたが、私の晴れ女が勝利した模様で、晴れ間も出ていて暑いぐらいの2日間となりました。
天候にも恵まれ、久々の女子会旅行は、個性的な人物の思い出と新たに男前の話が加わり、これからも話のネタは尽くことがないでしょう。