区分所有マンションの理事会について *理事会の職務、議事について
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<ポイント>
◆理事長等の選解任と、理事の選解任は別概念
◆理事会は原則として理事長が招集するが、一定の場合その他の理事も招集可能
◆理事会会議は理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事の過半数で決する

前回まで区分所有マンションの管理組合の総会についてお話ししました。
今回は、標準管理規約(単棟型)(以下、たんに「規約」といいます)で理事会についてどのように定められているかをお話しします。

理事会は、理事で構成するとされています(理事がどのようにして選任されるかについては管理組合の役員について( https://www.eiko.gr.jp/lawcat/7-3/ ) をご参照ください)。

理事会は、理事長を議長として、次の職務を行うとされています。
1 規約・使用細則等・総会決議で理事会の権限として定められた管理組合の業務執行の決定
2 理事の職務執行の監督
3 理事長・副理事長・会計担当理事の選解任
なお、上記3についての規約コメントをみると、理事の互選により選任された理事長・副理事長・会計担当理事は、理事の過半数の一致によりその職を解くことができるが、その理事としての地位は総会決議を経なければその職を解くことができないことの確認がなされています。

また、理事会は理事長が招集するとされています。ただし、
・理事が○分の1以上の理事の同意を得て理事会の招集を請求した場合には理事長は速やかに理事会を招集しなければならない、
・理事会招集の請求日から○日以内に、その請求日から○日以内の日を理事会の日とする理事会の招集通知が発せられなければ、その請求をした理事は理事会を招集できる、とされています。
〇印の数字は、各マンションの実情に応じて定めることとなります。

次に、理事会の議事についてお話しします。
理事会の会議(WEB会議システム等を用いての会議を含む)は、理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事の過半数で決するとされています。
また、区分所有者が以下1.2.3の行為をおこなうことに対する理事会の承認・不承認は、理事の過半数の承諾があれば書面または電磁的方法による決議によることができる、とされています。
1.専有部分の修繕工事等のうち共用部分等に影響を与えるおそれのあるもの
2.敷地・共用部分等の保存行為
3.共用部分のうちの開口部(窓枠・窓ガラス・玄関扉など)の改良工事であって住宅の性能向上等に資するものであるが、管理組合が速やかに実施できないもの

この点について規約コメントをみますと、理事会には理事本人が出席して相互に議論することが望ましいところ、上記1.2.3の事項は、申請数が多いことが想定され、かつ、迅速な審査を要するものであるので、書面または電磁的方法による決議を可能とするものである、と補足されています。

なお、理事会決議について特別の利害関係のある理事は、議決に加われないとされています。
次回は、理事会への理事の代理出席が可能かなどについてお話しする予定です。