年明け早々の大地震。
元日に地震が起こらない保証はないけれど、起きてしまった。
北陸地方に住む友人とその家族の無事は確認できたが、久しぶりに聞いた友の声からも、我慢と不安の日々であることは明らかで、疲労が感じられた。
今回の大地震では帰省時に被災した方もおられたであろう。
関東地方にある実家に帰省すると、日常的に小さな地震はあるので、帰省中の数日間に一度は地震がある。むしろないほうが怖い。
関東と関西での居住年数が半々になってくると、あれやこれやと両者を比較することが癖になってしまっている。特に地震の回数は関西と関東では全く異なる。関西は圧倒的に少ない。
ちなみに個人的にその次に異なると思っているのは会話のオチの有無。狭い日本でも文化の違いは大きい。
帰省時に山手線に乗ると、東京タワーやスカイツリーを目にするより、オチのない会話を耳にするほうが、あぁ帰ってきたなぁと感慨深い。ふと、アメリカンジョークは本当に全米で通じているのだろうかと思う。
ひとり旅で何度かフィンランドを訪れた際、帰国便の関西空港行きの乗客は関西人と日本への海外観光客が多いので、ヘルシンキ・ヴァンター空港で搭乗案内待ちをしているときにあちこちからオチのある会話が聞こえてきて、あぁ帰国するんだなぁと非日常から日常に戻るという現実と向き合う心構えができた。本音をいえば関西空港に着くまではフィンランドを感じていたかった。
帰省の度に目にする富士山。お天気次第だけれど、飛行機からも新幹線からも在来線からもお目にかかれるし、実家から車で20分程度走れば、遠くにお目にかかることもできる。
毎度、東に帰ってきたなぁと思うとともに、今日の富士山のご機嫌はいかがかなぁと眺めている。自分が生きている間に噴火することは想像に難くない。実家に帰っているときに起こるほうが精神的には安心するなとも思う。すべては風向き次第。風向き次第で陸路も空路も断たたれてしまう。
初めての海外ひとり旅でイギリスのロンドンに行く際、アイスランドでの噴火の影響で、行く直前まで飛べるかどうか分からないということがあった。そのときはあまりネット情報もいまほど充実していなかったので気楽に空港に行き、無事搭乗手続きもできたけれど、後々調べると風向き次第では飛べなかったらしい。
空は続いているなぁと当たり前のことを思う。
年が明けたいま、引っ越しの準備にとりかからねばならない。10年ぶりの引っ越しである。家具も食器も本も増えたいま、引っ越しをすることにした。
次の住まいは今より広くなるわけでもなく、むしろ収納スペースが半減する。それでも引っ越しをすることにした。目の前にある本を、食器を、モノを、箱に詰めていくしかない。
引っ越しに関しては、答えは風の中に無さそうだ。