<ポイント>
◆修繕積立金は特別の管理に要する経費への充当に限り取り崩せる
◆修繕積立金は、管理費と区分して経理しなければならない
◆駐車場等使用料は、それらの管理費用に充てるほか修繕積立金として積み立てる
前回は、マンション標準管理規約(単棟型)において、区分所有者が管理組合に納入すべき費用のうち、主に管理費についてお話ししました。
( https://www.eiko.gr.jp/lawcat/7-3/ 「区分所有者が管理組合に納入すべき費用」 ご参照)
今回は、マンション標準管理規約(単棟型)における修繕積立金について、主にお話しします。
マンション標準管理規約(単棟型)では、管理組合は、各区分所有者が納入する修繕積立金を積み立てるものとし、特別の管理(以下に列挙)に要する経費に充当する場合に限り取り崩せる旨定めています。
(1)一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
(2)不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
(3)敷地及び共用部分等の変更
(4)建物の建替え及びマンション敷地売却に係る合意形成に必要となる事項の調査
(5)その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理
ほかにも、区分所有法による建替え決議等からマンション建替え等円滑化法によるマンション建替組合設立の認可またはマンション建替事業の認可までの間に、建替えに係る計画・設計等に必要があれば、その経費に充当するために取り崩せます(一定の上限あり)。
マンション建替え等円滑化法による敷地売却決議から敷地売却組合設立の認可までの間に敷地売却に係る計画等に必要があれば、その経費に充当するために取り崩せます(一定の上限あり)。
また、管理組合は、上述した(1)~(5)の経費に充てるために借入れをしたときは修繕 積立金をその償還に充てることができる、とされています。
なお、修繕積立金については、管理費と区分して経理しなければならないとも定められています。
標準管理規約(単棟型)のコメントをみると、以下の場合にも修繕積立金として積み立てられ、区分経理されるべきものとされています。
・分譲会社が分譲時に、将来の計画修繕に要する経費に充当していくために一括して購入者から修繕積立基金として徴収した場合
・修繕時に、既存の修繕積立金の額が修繕費用に不足すること等から、一時負担金が区分所有者から徴収される場合
次に、使用料の定めについてお話しします。
標準管理規約(単棟型)では、駐車場使用料その他の敷地・共用部分等に係る使用料は、それらの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる、とされています。
また、標準管理規約(単棟型)のコメントをみると、機械式駐車場を有する場合は、その維持・修繕に多額の費用を要するので、管理費や修繕積立金とは区分して経理できる、とされています。
参考になれば幸いです。