令和2年分確定申告のポイント
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本年も(個人)所得税の確定申告の時期となりました。
所得税の主な改正点は、昨年12月1日掲載しました年末調整のポイントでその多くは述べていますので、本稿では、確定申告を行う必要がある方について改めて確認します。

1.給与所得がある方
(1)給与の年間収入金額が2,000万円を超える方

(2)給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える方
(例)給与を1か所から受けていて公的年金等に係る収入金額が80万円(65歳以上の方(昭和31年1月1日以前に生まれた方)は、130万円)を超える場合
※給与の収入金額が75万円以下の方は、下記2.の年金所得者に係る確定申告不要制度も参照してください。

(3)給与を2か所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)との合計額が20万円を超える方 等

2.公的年金等に係る雑所得のみの方
公的年金等に係る雑所得の金額から所得控除を差し引いた結果、残額がある方は、確定申告が必要です。ただし、公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつ、その公的年金等の全部(注1)が源泉徴収の対象となる場合において、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には、所得税及び復興特別所得税の確定申告は必要ありません(年金所得者に係る確定申告不要制度)。

(注1)所得税法第203条の7(源泉徴収を要しない公的年金等)の規定の適用を受けるものを除きます。
(注2)所得税及び復興特別所得税の確定申告が必要ない場合であっても、所得税及び復興特別所得税の還付を受けるためには、確定申告書を提出する必要があります。
(注3)所得税及び復興特別所得税の確定申告が必要ない場合であっても、住民税の申告が必要な場合があります。詳しくは、お住まいの市区町村の窓口にお尋ねください。

3.退職所得がある方
外国企業から受け取った退職金など、源泉徴収されないものがある方は、確定申告書の提出が必要です。ただし、退職金などの支払者に「退職所得の受給に関する申告書」を提出した場合、一般的に退職所得に係る所得税等は源泉徴収により課税が済むことになりますので、退職所得の申告は不要となります。
なお、退職所得以外の所得がある方は、1.又は4.を参照してください。

4.1~3以外の方
各種の所得の合計額(譲渡所得や山林所得を含む。)から所得控除を差し引き、その金額(課税される所得金額)に所得税の税率を乗じて計算した所得税額から配当控除額を差し引いた結果、残額のある方は、確定申告書の提出が必要です。

5.還付申告を行うことができる方
給与等から源泉徴収された税金や予定納税で納めた税金が、年間の所得金額に基づいて計算した所得税及び復興特別所得税の額よりも多いときは、確定申告をすることによって、納め過ぎとなっている所得税及び復興特別所得税の還付を受けることができます。

給与所得のある方で、次のような場合には、原則として還付申告を行うことができます。
・一定の医療費を支出したとき
・特定の寄附をしたとき
・一定の要件のマイホームの取得などをして、住宅ローンのあるとき
・年の途中で退職し、年末調整を受けずに所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額が納め過ぎとなっているとき 等