保険には様々な種類があり、十分に理解しないまま加入しているケースも多いようです。
そこで、今回は保険の種類と税の課非区分を整理してみます。
【保険の分離と特徴】
1 保険の分類
保険業法では、図表1のように保険を生命保険固有分野(いわゆる第一分野の保険)、損害保険固有分野(いわゆる第二分野の保険)、生命保険・損害保険のどちらともいえない分野(第三分野の保険)として、3つに大別しています。
(1) 「生命保険」とは、人の生存または死亡に関してあらかじめ約定された金額を支払う保険のことで、生命保険会社のみが引き受けることができます。
(2) 「損害保険」とは、一定の偶然な事故によって生じた損害額に応じて保険金を支払う保険のことで、損害保険会社のみが引き受けることができます。
(3) 「第三分野の保険」とは、生命保険、損害保険のいずれにも当てはまらない保険のことをいい、生命保険会社、損害保険会社の双方で取り扱うことができる保険です。
具体的には、「傷害保険」や「医療保険」などがあります。
2 分類別特徴
(1) 保険金の支払い
定額払い
あらかじめ約定された金額を支払う方式で、値段を付けることができない人体に関する生命保険、傷害保険、医療保険等に適用されています。
実損払い
実際に被った損害額を支払う方式で、損害保険は、損害により不当な利益を得ること(いわゆる焼け太り)を防ぐという考え方に基づいています。
(2) 兼営禁止
生命保険会社と損害保険会社は第一分野の保険と第二分野の保険を兼営することが認められていませんが、第三分野の保険はそれぞれ引き受けることができます。
(3) 第三分野の保険の分類
保険金の支払い方法により2つに区分しています。
具体的には、ケガや病気による入院・通院等のために実際に支出した費用を補償する「傷害疾病損害保険契約」、ケガや病気によって入院・通院等をした場合に契約時に定めた一定額を支払う「傷害疾病定額保険契約」として区分けしています。
以上から、保険業法では、図表2のように「損害保険契約」「傷害疾病損害保険契約」「生命保険契約」「傷害疾病定額保険契約」の4種類に保険を分類し、それぞれの契約関係で規定しています。
【保険金と税金】
1 生命保険と税金
満期・死亡保険金を受け取った場合は、所得税、相続税、贈与税のうちいずれかの課税が行われますが、誰が保険料を負担し、誰が保険金を受け取ったか、また、被保険者は誰なのかによって図表3のようになります。
2 損害保険と税金
(1) 非課税
事故により支払われる図表4の保険金は、所得税法上、非課税となります。
(2) 課税
死亡保険金については、図表5のように相続税や贈与税等が課税されます。
(参考:日本損害保険協会HP)